【15】お仕置き

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 その火照(ほて)りを伝えるかのように腰をすりつけながら淫らな吐息まじりに悩まし気に耳元で囁かれ、さすがの阿窟(あくつ)もこれ以上は限界だと脂汗を流しながら、 「し……承知致しました。それでは、体調が落ち着かれましたら室内にあります内線で特別室までご連絡くださいませ。秘書をお迎えにあがらせますので」  と、アザミに離席の許可を出した。 「アズミ様、本当に申し訳ございませんでした。お()びに試合後たっぷりと……」  阿窟は名残(なご)り惜しそうに目元にキスを落とすと、部屋の外にいた秘書にアザミを支配人ルームへ送り届けるように言いつけた。  そしてアザミが特別室を出たのと同時にトイレへ駆け込み、限界ぎりぎりの状態をかろうじて乗り切る。    しかしスーツを汚さずには済んだものの、大量のフェロモンとアザミの色香によって滝のように汗をかいてしまったため、ここまでビショ濡れのスーツでは却ってお客様に失礼だと結局すべて着替えることになってしまった。  特別室内にあるシャワーを浴びながら「こんなことなら玩具ではなく私自身で責めれば良かった……」と阿窟を後悔させたことが、アザミからのお仕置きだったのである。
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