【03】消えた殺人鬼

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・「96」メンバーたちには優秀な能力とハイリスクを考慮した、破格の報酬が作戦完遂ごとに約束されている ・「96」の存在が表沙汰になった場合は、警察によって非公式に作られた特殊チームであることを警察は一切認めない ・「96」に関わる情報を守るために、班全員を闇に葬る可能性もある  社会に潜む悪党たちを捕らえる証拠をつかむため、法を守らない代わりに法に守られることもない。  こうして精鋭たちは人知れず社会の闇に紛れながら、日々危険な任務にあたっているのである。  優羽と別れた後すぐにスマホを取り出したカギヤは、ある人物と連絡を取り合うとタクシーで都心に移動し、数フロアにかけて多数の飲食店が入っている高層ビルへ到着した。  鏡のような銀色の扉がちょうど開いたエレベーターに数名と共に乗り込み、他のフロアよりも高級な料理を提供する店舗が並ぶ15階で降りる。  周囲を見回しながら某有名料亭がプロデュースした居酒屋を見つけると和装の店員に声をかけ、今夜新たに待ち合わせた先客の名を告げた。  この店の一品の価格は一般的な居酒屋に比べると高いのだが、鮮度や味そしてなによりサービスが確かなため「安心して食事が出来る」と評判は良い。  すべての客席は品のある座敷タイプの個室となっており、大勢で賑やかに楽しむというよりは独り、または二人で美味(うま)い酒と料理を楽しみたい客層向けだといえよう。
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