【03】消えた殺人鬼

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「ちょ、ちょっと待ってください、班長っ!優羽君のこと、僕にはもったいないって思っていたんですか?」 「どうせ優羽から『僕と南京錠が同時に崖から落ちそうになって一方しか助けられないとしたら、どちらを選びますか?』とでも聞かれた時に、頭を抱え込んで答えられなかったから振られちまったんだろ?」 「優羽君と南京錠?そんな空気と水のどちらか一つだけ選べというくらい難しい質問をされても……」  と、カギヤが頭を抱え込む。 「いや、そこは迷わず優羽って言っとけよ!ったく、しょうがねぇなぁ。分かった、俺もオメェの上官だ。失恋の傷を癒すために協力してやるよ。またミニスカ、ノーパンのプレイがいいか?それとも……」 「やめてください!班長は部下を元気づけるだけのつもりでも、そのあと確実に僕がヒドウ君に殺されますから!」  身の危険を感じて全力で辞退したカギヤが、ふと気付いた。 「いえ、そもそも優羽君とは破局してませんよ!今もラブラブで……あれ?なんでこんな話に……あ、そうだ、白夜区ですよ!」 「おーそうだ、そうだ」   二人で同時にグラスを傾けると一息吐いてリセットする。  そしてカギヤから、ここへ来る前に橋の上で出会った青年の体験談を聞かされたアザミが口を開いた。
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