霞み

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霞み

 「ねぇ、茉莉(まり)って何食べてきた?」  「うーんと、納豆と焼きのりにアスパラの炒めに刻んだハムが入っているやつだった」  私と朋絵(ともえ)の会話の始まりは概ねこの話題から入る。  なぜ毎回私の朝食を聞きたいのか本人に確認してみたが、「なんか良いから」とだけ言われた。  いつもは、学校がある日に一緒に登下校しているが、今日は日曜日の朝日が昇ってまだ間もない時間帯から活動を開始している。  理由は、私たちが住む場所から歩いて二十分ほどの場所に、今年の二月ごろにオープンした山の幸を取り扱うお店ができた。  まだ半年しか営業していないが、お昼近くには人気の品物は無くなってしまうほどの人気店だ。  採れたての山の恵みを格安で提供しているので、お客は段々と口コミで増えている。  朝早くから営業しており、もうすぐ開店の時間だった。  私たちの狙いは七月に解禁になった鮎を使った加工品で、今月に店頭に並ぶとチラシで見て来た。    とても女子中学生が好む食べのものように思えないが、美味しいのだからしかたがない。  朋絵を誘って二人で向かうことにした。  最初は父が送迎してくれると言ってくれたが、もう一つ楽しみがあったので、断ってしまった。  太陽の光が熱を持ち出し始め、それにつられ今まで見えていた景色は一変する。  
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