向こう側に見えるもの

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 霧が晴れていく。 そこに見えてくるのは、色とりどりな世界だった。  難しいことなどない、空は青く稲は緑を主張している。  コンクリートは熱を持ち始め、蜃気楼が見えてくるのも時間の問題だろう。    私と茉莉は再び()を歩き始める。  目的地はもうすぐそこだけど、この貴重な世界を友人と共有できるのは残り少ない。  むしろ、最後かもしれない。 それでも、この霧の世界はまた現れる。  そのときは、きっと霞みを手で掴めるようになっていたいと私は願っている。
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