第3章:女性の体毛って衣服が開発されてからいらないって思うんだよね。

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第3章:女性の体毛って衣服が開発されてからいらないって思うんだよね。

 ロクさんの家に引っ越してから私は近くの中学校に行くんだと思っていた。  「ここら辺あんまりいい中学校がないんだ。どうしても行きたいなら考えるけど、君はホームスクールにしようと思っている。でも高校にはちゃんと進学してもらうから。」  中学校に行かないという選択は私にとって好都合だった。色々身の上話をするのは避けたい事情がある。  「ホームスクールの先生はオレやサワコだけじゃなく、勉学面では水澤さんという人が来るから。今日中にサワコが時間割を持ってくるよ。」  夕方サワコさんが見せてくれたスケジュールはこんなかんじだった。  9:00-12:00 勉学 (水澤先生)  12:00-13:00 昼食  13:00-16:00 勉学 (水澤先生)  16:00-17:00 家庭科 (サワコ)  17:00-18:00 課外活動 (ロク)  「月〜金でこんな感じ。勉学の具体的な授業内容は水澤先生が教えてくれるから。」  私は夕方に設定されているロクさんの課外活動が気になったので質問してみた。  「まずは部活みたいなものだな。」ロクさんは窓の外を見ながら言った。そしてさほど重要ではない事のように付け加えた。  「君の名前『美海(みう)』にしようと思うんだけど、どうかな?」  ロクさんの発言は予想外だった。私には名前が既にあるのにそれを変えるの?どうして?と唖然となっているとサワコさんがフォローしてくれた。  「ロクちゃんはあなたはいずれは有名な女優になるくらいのポテンシャルを持っていると思っているの。美海は芸名だと思って。私はいい名前だと思うわ。ロクちゃんはネーミングセンスあるから。」  「苗字も変えるんですか?」  「そうね。ロクちゃんの苗字『六合(ロクゴウ』になるわね。学校とかでは。」  六合美海か。苗字とのマッチングがイマイチだな。六合が渋すぎる。と思ったが言わなかった。  「水澤先生が来るのは明日からだから、今日は私との家庭科前倒ししましょうか。美海ちゃん、私の部屋に来てくれる?」  サワコさんの部屋に入るのは何気に初めてだった。広い部屋なのだがピアノや衣装、そして何に使うかわからないようなマシーンが部屋の真ん中に置かれていて、スペースが限られていた。  「じゃあ、美海ちゃん、お洋服脱いでくれる?」  サワコさんはそこのお茶碗取ってくらいの軽いトーンっで言った。  「え、どうしてですか?」  「ロクちゃんから頼まれているの。全身脱毛。」  「私、まだ中学生ですよ。ちょっと早いんじゃ。」  「生えてるところはあるでしょう?早目に対策したほうが処理が楽なの。まずは状態をみてどこからやるか決めたいの。」  堪忍して私は上着とスカートを脱ぎ下着だけになった。サワコさんがもっとというジェスチャーをしたのでブラを外してショーツを脱いだ。いくら女性の前でも一方的に脱ぐのは恥ずかしい。  「おっぱい大きいわね。形も綺麗。」  「サワコさん、見るのは体毛じゃ。」  「そうだけど、これは見事なものだわ。更に成長するみたいだし。体毛は薄いわね。下の毛も可愛いのが生えてる。脇毛も少しだけ。」  サワコさんは足やスネの毛など満遍なく確認した。  「三ヶ月もあれば全身ツルツルになるわ。」  「もしかして下の毛も?」  「そう!無いと楽よ!」  予想はしていたがここは普通の家庭じゃない。でも全身脱毛は嬉しいのでまあよいか。  その日は腕と足にレーザーをかけて体毛を薄くする処置をした。  「ロクちゃんはツルツルが好きなの。美海ちゃんがツルツルだと本当のお人形さんみたいになるわ。」  サワコさんは嬉しそうに言った。  レーザー処置を受けている間、ロクさんとは結婚しているのかと聞こうと思ったけど、なんとなく機会を逃した。これから少なくとも高校進学までこんな感じの生活するのだ。少しずつ知っていこう。
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