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どんだけ照り焼きバーガーに填まってんだよ、この王子は?
照り焼きバーガー与えてから既に二年経ってんだぞ?
ただし!
おそらくは新しい味に填まってしまったに違いない。
なぜなら
「ウマウマ!これ美味いんだけど?!なんでサクサクホロホロなんだよ、このクッキー!ボソボソザクザクじゃないのがニクい!!」
………屑魔石(小さくて使い途のない魔石)を、ルテシーの騎士団からコッソリがめて試験的に造ってみたミニオーブンで作ったラング·ド·シャ。
上手くいったようでなにより。
よし!
ちょうど良い、"王子"に働いて貰おうか。
コイツに働いて貰うには、部屋の外でがなっている
"魔法教師"
にご退場頂いてからだな。
私は教師のプライドを焚き付けてみた。
「ベーだ!魔法で鍵掛けたもん!開かないよーだ!!」
すると
「では魔法の鍵を壊しますので、その後お勉強ですね!」
掛かった!!!
私はダッシュでドアに向かい、右耳を当てて外の様子を伺う。
と。
いつの間にかディーも私の前で左耳をドアに当てて、外の様子を伺っていた。
私とディーの行動に釣られるようにカナンもドアにベッタリ。
『ファイアー!!』
………普通邸の中で火系を使うか?
目の前にいたディーに目で問いかけると、口パクで返事した。
(ダメな大人の見本)
…ダメな"教師"でもないのか…。
そしてガチャっとドアが開き、ダメな大人が堂々と
「お嬢様。お約束ですよ?」
とふんぞり返った。
「キャー?!服を来てください!お嬢様に対して失礼です!!!」
と真っ赤になって怒鳴るカナン。
不思議そうな顔をする教師。
うんうん。
気づいてないね。
魔法が当たると風魔法が反射され、服が切り刻まれること。
尚且つ服の重みと同じだけの
"空気"
を纏わせてるから、鏡を見るか下を見るかしないと自分の状況が分からないんだろうね。
するとそこにちょうど、洗濯物を抱えたメイドが三人通りかかった。
「キャー!」
「イヤー!」
「きゃあ💖」
部屋の中を見た三人の悲鳴。
最後の一人のテンションが明らかにおかしいけど…余計なことは考えないことにしよう。
そして教師は首を傾げ、自分を見下ろした。
「ギャーーーッ!!!な、なんで裸になってるんだー?!」
慌てて下半身に手を当てている。
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