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だから言ってやったぜ!
「…先生はチビウィンナー」
私以外の全員が固まった。
「「「………………………」」」
「大きさよりカタ…ゴニョゴニョ…」
…やっぱ変なのが一人いる。
「リィ。きっと寒いだけなんだ!思っても言ってはダメなヤツ!」
いや、ディー。
"思っても"って、ディーも酷いでしょ。
ほら。
先生が燃え尽きたような顔をして…。
「うぇえぇぇぇ~~~ん!!!」
下半身を押さえたまま、盛大に泣きながら私の部屋を飛び出していった。
「…これで魔法の教師、誰も来なくなるな…。よしっ!俺が魔法を」
「要らないよ?僕がリィに教えるから」
…あぁ、いきなり現れた最難関…ロテール兄様…。
だけどここには使い勝手の良い
"王子"
がいらっしゃる。
「ううん。私"錬金術"お勉強するんだ!ディーは応援してくれるよね?(後で照り焼きバーガー三つとさっきのクッキーお土産にあげるよ!)」
小声で交渉すると、ディーはアッサリ陥落した。
「やっぱリィには錬金術だな!」
兄様はムゥっとしたけど…。
「錬金術楽しそうだよね?!ディーは私の味方をしてくれる。兄様は…敵かな?」
「?!まさかぁ!僕がリィの味方をしないわけないでしょ?!王子よりも確実にリィの味方だよ、僕は!!!」
…よし、これで大丈夫だ!
口達者な兄様と、言質を取った王子の言葉。
お父様もこれで文句言えないだろう。
と思ったのは正解で、お父様は頭をかきむしっていたけど
「「リィには錬金術!」」
と二人に言われ、尚且つ教師連中に
"ルテシー辺境伯のご令嬢は、教師を裸にむしってメイドの見世物にして、肉体に酷評を下す"
という不名誉な噂により、"誰も"教師になりたがらなくなった。
…錬金術、完全に手探りだなぁ…。
まあ、試験的なモノはできてるからなんとかなるか…。
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