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というのも、三年前ロテール兄様とディーが学校に入学したから、一緒に王都で過ごすことにしたわけ。
お母様が3歳のとき王都に来れなかった理由=悪阻。
私には弟がいて、お父様いわく
"アンドリューの社会勉強を兼ねて"
一家で王都のルテシー別邸で過ごすことに。
お父様の思惑は解っている。
兄様は侯爵家に婿入りするから私がルテシーに残るはずだったけど、弟がいるから嫁(王家:陛下が煩いらしい)に行かせようとしてるんだ。
…是非!アンドリューにも婿入り先を探してあげねば!!!
「うわ~。姉様の学校指定ドレス姿だ!キレイ!…姉様。学校行くの?帰ってきたら僕と遊んでくれる?」
そう言って、アンドリューは抱きついてきた。
ロテール兄様の額に青筋が立つ。
「こら、アンドリュー!リィのドレスが汚れるだろ?!離れるんだ!」
とアンドリューをひっぺがし、左腕で私を抱き寄せてくる。
…うぅ~ん、またか…。
「兄上!なに姉様を自分の方に引き寄せてるんですか?!ズルい!!!」
「リィはこれから学校なんだ。僕が連れていくのは当然だろう?」
アンドリューが歯噛みしている。
兄様も大人げない。
…まぁ、アンドリューがシスコンになったのは私が原因だから、悪いとは思ってるんだけど。
いかんせん、離乳食が頗る不味くて泣いて嫌がる弟が不憫で(兄様も私も無理矢理食べさせられたらしい)、私、頑張りました!
変な穀物グチョグチョは廃棄。
果物と野菜をバランス良く刻んで水飴入れて、魔石に一定の温度を持続する効果(一番簡単な錬金術だったらしい)で煮込んで冷ましてアンドリューにあげると…超ご機嫌に。
その後からベッタリ。
オートミールだってお手製でしたよ。
朝晩のロテール兄様とアンドリューの喧嘩は毎日だったけど、昼間はお昼寝で居なかった(兄様はお勉強もあったし)から静かだった…。
問題はアンドリューが5歳ぐらいからだった。
私の勉強が終わると、三人が言い合いながら部屋に雪崩れ込んでくる。
兄弟は仕方ないとしても、だ。
王子まで来るんじゃないっての!
アンドリューとアホな喧嘩せずに、実の弟と喧嘩しなよ。
アンドリューと同い年なんだから。
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