マルアール王子一行、悪魔!と呼ばれる

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出来上がりの二枚の魔法紙をポケットに入れて、ダブルエスコートでフロアに戻る。(印刷機はアイテムボックスに入れたよ) ディーとエルレット公子を見て、波のように押し寄せてくるご令嬢方に二人は慌てて私を抱えたまま、壁際のソファに方向転換。 いや、参った。 私をソファに座らせ、飲み物を取ってくるわ、脹ら脛(ふくらはぎ)を揉んでくるわ、お菓子を運んでくるわ。(いつの間にか兄様まで混じってた) まぁ、楽っちゃ楽だけど…射殺されそうな視線を貰うのは、今度は私じゃないか! メンドクサイ。 …ところで…皇子と公女、どこ行った? 持て成し側がいないっておかしいだろ。 『みゃあ!』 ん? なんで夜会のフロアにノエルが入って来たんだ?! 「…ノエル?君、何食わえてるの?」 エルレット公子が聞くとトコトコ寄ってきて ペッ! と落とす。 ………髪の毛みたいなんだけど。 「…色がデミタス皇子の、だよな…」 「…さっき見た映像に、コレとそっくりなモノを見た気がするね…」 「…皇子が頭の頂点に乗せてたヤツ…」 ディーとエルレット公子と私で、ボソボソ話をする。 兄様は不思議そうな顔で、ムンズと掴んだ。 「これって、部分カツラだよね?誰のだろう?コッソリ返してあげないと」 「「「……………」」」 目線を交わし合うけど、言葉が出てこない。 なんでノエル、こんなの持ってきたんだよ~?! 『みゃあ!』 あれ? ノエル、怒ってないか? 何があったんだ? 「済みません!アルディード殿下、エルレット公子!四角い物体がビービー音を立てながらダリュス大臣に体当たりを繰り返してるんです!魔法が効かないので、錬成物だと見られます!その上デミタス殿下に、大型の鳥のような錬成物が襲いかかっていて、それと対峙してる間に猫があの、その…皇子のとても大事なものを爪で引っかけて持っていってしまったのです!猫も錬成物だったようで、魔法を吸い取られてしまって…って、あー!その手にあるのは皇子の大事な、カツ…ゴホンっ!あ、あの錬成物が暴走してるんですよ?破壊の許可を!」 「「うちの子たちは暴走なんてしない」」 私とエルレット公子は言い切る。 "カー"がダリュス大臣に体当たりを繰り返してる…ってことは、大臣が何かを "ヤラカシタ" ってことだ。 そもそも、エルレット公子が "話をしたい" と打診してたのに、応じないから心証は悪い。
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