魔王王子と堕天使兄様

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この一年、ほんと大変だった~。 「君は王子の花嫁になりたくないか~!」 と聞く大臣に 「はい、なりたくない~!私はコックになる!」 と大臣を撃退し 「お妃様はキレイなドレス着れるわよ?」 と妖しく笑う王妃様に 「キレイなドレス着たら厨房で邪魔だから着ない」 と王妃様を萎えさせ 「君がアルディードと結婚しないなら王都からの食料、ストップするかな」 と脅してくる(調味料の元となる食料は王都にあった)王様に 「アルディード王子に言って。『王様に食材を止められるからもう二度と料理作らん』って」 バチバチバチっ! 「ヒィエェェェェェ~!!!黒雷?!止めない止めない!ルテシー辺境伯には最優先で変わった食料(調味料の元)を渡すから、アルに、アルに料理を~!アル!変わった食材を集めてリリティーゼ嬢に渡そう、な?!」 と宙に向かって声をかける。 …まさか調理拒否で魔王降臨とか洒落にならん。 ってか、何部屋を覗いてるんだ? 魔王の封印者だから魔力や魔法所持力は頗る高いだろうけど。 「…全く俺に興味ないの?」 と止めのアルディード王子。 「うん、ない。というか、あるように見えるか?」 変わりに聞くと、なんとも言えない顔をした。 「…俺は魔王と意識が繋がってるから"大人っぽい"と言われるのは納得だけど、君もナカナカだよね。…なんでだ?」 これには私も微妙な顔をした。 3歳の誕生日を迎えたとき、スルスルと滑るように記憶が出てきた。 つまり今の私は 見かけ3歳、中身19+3歳 将来間違いなく有望でも、6歳児には"萌え"ません。 アルディード王子の疑問には笑顔でスルーして、これで終わり!と思ったんだけどね…。
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