魔王王子と堕天使兄様

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現在 「式典って、王太子には"王太子妃"または"王太子妃候補"が必要じゃないか。だけど俺にはいないから、肩身が狭いんだ」 …よく言うよ。 全部お妃候補蹴ってるの、王子自身じゃんか。 まだ私を諦めてないんか? 料理の注文なら受け付けるって言ってるのに。 チラチラ私を見ながら言う言葉に、私は冷たい視線を返した。 「あれ?おかしいですね。僕は聞きましたよ?コーレア侯爵家のアニス嬢がお妃候補って…。ようやっとリィを諦めたんだと喜んだんだけど」 !!! 王子が兄様に飛び掛かり口を押さえようとしたけど、兄様はサッと避けた。 ズベッ!と顔から地面にダイブした魔王王子を正統派王子(ただの伯爵子息)が見下ろす。 さすが兄様だ! カッコイイ! 「兄様、さすが~!」 誉めるとテレテレになった兄様。 ………兄様を誉めるのはホドホドにしておこう。 シスコンが過剰で、兄様の結婚はおろか私の結婚までアブナイ域に掛かってるんだ。 シェリテ侯爵家のフィアネ嬢が兄様を気に入ったのが解って、フィアネ嬢と仲良くして兄様をけしかけ婿入りを承諾させた。 私はこのルテシー辺境伯を継いで、婿を取るつもり。 で、一生を美味しいもの(料理)に捧げるんだ! 王子の嫁なんぞ、お呼びじゃない!!! おまけに王子が来る度に、兄様の私に対する束縛が酷くなる。 兄様&王子は7歳だよ?! …数年後が怖い…。
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