莉奈、神様にミンチにされる

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莉奈、神様にミンチにされる

ズドンっ! 物凄い衝撃が上の方から来て、私宮原莉奈(りな)は頭が真っ白になった…。 私は大学二年、19歳。 将来は堅実に公務員を目指して頑張ってたんだけど…気づくと、ただただ真っ白い部屋に立ち竦む私。 どこよ、ここは? キョロキョロ視線をさまよわせると、前の方から凄まじい速さで金色の物体がジャンプして足元に滑り込んできた。 …これは土下座だ。 所謂 "ジャンプ&スライディング土下座" 金色の髪の白い服着た二十歳過ぎの男らしい人物が、地面にめり込むんじゃね?ってぐらい這いつくばってる。 這いつくばってる人物の後ろには、仁王立ちの変わった服を着た女性が腕を組んで不機嫌そうにいつの間にかいる。 …浦島太郎の絵本に出てきた乙姫様みたいだ。 絵本なんか比べ物にならないくらい、超絶美人だけど。 その昔風衣装の美女が低い声で言う。 「…謝らへんのん?」 そして持っていた扇の先を、金髪青年の頬にめり込ませた。 「はいっ!申し訳ございませんでした~!!!」 「…おや。理解しておらはらんようですのん。説明しなし」 「はいっ!ただいまご説明させていただきます!宮原莉奈さん!私が間違ってあなたをド突いてしまい、潰れ死なせて仕舞いました!済みませ~ん!!!」 「………は?潰れ…?」 「はいっ!立派にミンチになりました!」 まぁ、イイ笑顔💖 意味が解らん。 この男の顔を殴れば理解ができるだろうか? 左手を拳にして高く掲げたけど。 「…そなた…。自分のしたことを理解しておらんのん。骨の髄まで叩き込むとしようかの」 優しく優美な言葉遣いながら、背後はオドロオドロシイオーラを漂わせた乙姫様。 私は本能的な危険を感じ、一歩下がった。 金髪青年は土下座のままおそるおそる、後ろを振り返り…。 「わ、解ってます解ってます!あなたの世界のあなたの守護場の民を誤って殺しました!済みません!!!ギャーーーーース!」
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