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花怜はそのまま、片瀬の前にあるスマートフォンに目を向ける。
画面に写った少女たちを見て、座ったばかりなのに立ち上がった。
「スイホリのざらめとカルメ!? うわー、これ、ゴールデンウィークのロッキングフェスだ」
花怜が立ち上がったままスマートフォンを手に持ち眺める。
彼女はスイホリの愛称で親しまれている『sweet holick』のファンの一人だ。
だから八雲も『sweet holick』について知っていた。
花怜の勢いを見て、ざらめ本人である杏子はやや引いている。
それを察し、八雲が口を開いた。
「花怜、流石に大人しくしててください。真剣な話しをしていますので」
待ちぼうけをくらっていた花怜はストレスが溜まっているらしい。
だが、八雲に言われ、大人しく座り直した。
「これ、ライブの時の写真なら、ライブ会場周辺の防犯カメラに映っているかしら」
早坂はそう言って、杏子からライブをした会場の場所を確認して、メモを取る。
「あれー?」
まだスマートフォンの画像を眺めていた花怜が口を開いた。
何かを見つけたようだ。
そのまま、スマートフォンを手に取り、まじまじと画面を見つめる。
その目線は、杏子たちが先程話していたストーカーと思われる男性に向けられていた。
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