第12章 語られた想い

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愛夢の罪は、霧崎悠人の死体損壊及び遺棄と、天宮杏子への傷害――いや、殺人未遂になるのかもしれない。 警察が愛夢の証言を元に捜査をして、彼女がやったこととそうでないことをわけてくれれば良いのだが。 (せめて、もう少し七瀬愛夢と話が出来ていたら……) 広原に連行されていった彼女。 その取り調べを行うのは、小柳のチームだろうかと八雲は考える。 「せめて腕の良い弁護士をつけてもらえるよう、お願いしておきますかね」 特に指定がなければ国選弁護人がつくことになる。 国選弁護人がついてからの弁護士の変更は、裁判所を通さなくてはならない。 八雲が何度目かのため息をついたとき、恵愛の目が開いた。 パチパチとまばたきを繰り返し、八雲の顔を見つける。 「八雲、さん?」 「ああ、起きたんですね。良かった」 目覚めた恵愛にホッと胸を撫で下ろす。 「急に動くのは良くないです。それなりに出血していましたし、まだ麻酔が効いているとは言え痛いでしょう」 八雲に言われ、恵愛は動くのをやめて顔だけ彼女の方に向けた。 「あの子はどうなりました?」 「七瀬愛夢は広原さんが連行しました。警察署で聴取されているんじゃないでしょうか」 「そうですか、良かった……」 八雲の言葉を聞き、肩の力が抜けたようだ。 まだ全てが解決したわけではないが、安心したのだろう。 「八雲さん、ありがとうございました」 「いえ、別に私は……いつもお世話になっていますし」 改まってお礼を言われ、八雲は困惑する。 何となく、居心地が悪い。
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