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茨城県警管轄の事件では、事件発生後に呼ばれることがほとんどだ。
今回のように第一発見者として、事件に関わったことはない。
「ああ、そう言えば鳴神さん。先程、養父から連絡がありまして、先月の事件の犯人から検出された薬物……新種のアルカロイドではないかとの事です。詳しくは後日資料を送らせていただきますね」
八雲は綾瀬から電話で聞いた内容を、簡潔にまとめて伝える。
事件の犯人から検出された薬物は興奮剤のようなものだったが、一般に流通しているものではなく、その特定が急がれていた。
「ありがとうございます。では、その件は後程」
そんな恵愛と八雲のやり取りを、小柳は面白くなさそうな顔で見ていた。
咳払いをし、彼女は二人の間に割って入る。
「もう、あなたが何者でもいいわ。でも、警視庁管轄下の事件である以上、勝手な行動をしないでちょうだい!」
キッと八雲を睨み、小柳はきつめの口調で強く言った。
だが、八雲が女性にしては背が高いため、見上げるようになっていまい、いまいち迫力が足りない。
「はい、ご迷惑をお掛けしないよう気を付けますね」
面倒事にならないよう、八雲は素直に返事をした。
それが小柳にはまた面白くなかったらしい。
険しい表情のまま、八雲を睨んでいる。
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