第3章 夜想曲は誰が為

2/12
141人が本棚に入れています
本棚に追加
/143ページ
フロントで受付をする。 成人している八雲名義で宿泊を申し込んでいるため、手続きは八雲が行った。 カードキーが渡され、最上階専用のエレベーターが案内される。 エレベーター内のセキュリティボードに カードキーを翳すと、最上階のランプが点灯した。 「結構セキュリティもしっかりしていますね。キーがないとエレベーターすら動かせないって……」 八雲が感心したように呟く。 このレベルのセキュリティなら、杏子のストーカーも入ってこれないだろう。 「最近、ハイクラスのホテルではこのくらいセキュリティしっかりしてるんですよ。やっぱり、安心して宿泊できますし」 花怜が八雲の呟きに答えるように言った。 ちょうど、最上階に到着し、エレベーターのドアが開く。 部屋の入り口にもカードキーをかざすパネルがあり、八雲がキーをかざしてドアを開けた。 スイートルームなだけあって部屋は広々しており、窓の外から見える夜景も綺麗だ。 そんなところに連れてこられて、杏子は少し落ち着かないようだった。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!