音楽室の隣

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 片手で口を塞いでいたせいか、白坂の体がバランスが失われ、左へと傾いた。  奏太は自身を引き抜くと、彼の体を抱えて起こすと、そのまま左の壁へと押し付けた。白坂は鈍い音とともに壁に押し当てられ、低く呻いた。彼は壁と奏太に挟まれるようにして辛うじて立っている。  両手でしっかりと白坂の腰を掴むと、陰茎を一気に根元まで埋め込んだ。 「ひうぅぅッ! 待って……、待って……ぇ、いや……ァ……待っーーッ!」  激しい抽送に白坂は場所も忘れて狂い喘ぎ、何度も体を痙攣させながら、射精した。急激な締め付けに奏太は目の前の体にきつく抱きついて耐えた。見ると、彼のワイシャツの裾は白く汚れ、床に白い雫を垂らしていた。 「はぁ……っ、勝手に、イくなよ」  息絶え絶えに奏太は言った。そんな文句も耳に入らないほど、白坂は体をぴくぴくと震わせながら、まだ吐精の快感に飲まれている。彼の体を支えながら腰を振るだけでもかなりの重労働なのに、自分が終わった途端、床にへたりこむように白坂の体から力が抜けていく。奏太は舌打ちすると、まだ張り詰めたままの陰茎を下から突き上げた。 「ひやぁッ!」  驚いたように声を上げる白坂。まだ達している彼にとっては、快感を通り越して苦痛のはずであった。反射的に逃れようと暴れる彼の片足をすくうようにして抱えると、その耳元に顔を寄せた。 「最後まで……付き合えよ」 「あぐッ、やめッ……やらッ……! ……んぐぅ!」  片足で立たされた男の抵抗などあってないようなもので、足を抱えた奏太の腕を掴んで首を横に振るだけだ。精一杯握っているのだろうが、力の入らない手ではなんの抵抗にもならない。白坂は頬を幾筋の涙で汚し、やめてと言いながら奏太を煽る。その声があまりに大きくなってきたので、慌ててその口を塞いだ。それでも手のひらの中で白坂は絶叫のような声をあげていた。 「んんーーッ! んんーーッ!」  ゴムを装着していても本能的に少しでも奥で吐き出したい衝動にかられ、一層深く貫いた。そして、奥に届いたような気がした瞬間、奏太は彼の体の中で果てた。汗だくになって脈打つ陰茎を最後まで彼の中で味わった。  荒い呼吸を繰り返し、体を離すと、白坂は力尽きたように体が沈んでいった。まるで糸を切られた操り人形のように彼は重力に従って床に座り込み、壁にもたれかかって虚ろな目を向けている。
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