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「……なあ、シラマ」
奏太は彼の絡まった両手を片手で押さえながら、今にも泣きそうな白坂を目が合うまで眺めた。中途半端に達したもどかしさが、恥じらいを上回るのを待つ。やがて、涙で濡れた目がようやくこちらを見上げた。
「ねえ、どうしてほしい?」
「どうしてって……わかるだろ?」
「ちゃんと口で言って」
唇に指を乗せてゆっくりと滑らせる。
それに促され、白坂は恥ずかしそうに唇を開いた。
「……ぱ……」
「ぱ?」
「……ぱんつ、脱がせて」
消え入りそうな小さな声が聞こえた。奏太にお願いするのがそんなに嫌なのか、いたたまれない表情をしている。
吹き出しそうになるのを堪えて下着のゴムに手を伸ばす。
「いいよ」
少し乱暴に下着を脱がせてやると無数の糸を引きながら、勃起した陰茎が飛び出した。
細い血管が浮いていて、息を吹きかければ爆発しそうなほど赤黒く張り詰めている。白坂が息を呑んでそこから視線を逸らしたのが分かった。
「次は?」
「さ、触って……」
「どこ?」
「……え」
「どこ触ればいいの?」
白坂の視線が揺れてまた伏せられた。
「……ち……んこ……、擦って……」
上擦った掠れた声に喉を震わせる。
白坂は自ら脚を広げて奏太を誘う。先走りで赤く濡れた蕾が奏太はじっとしたまま動かなかった。その姿に思わず見惚れてしまったのだ。
「野田ァ……、早く……」
焦らされたと思ったのか彼から責めるような目を向けられた。
我に返った奏太は本能のままにその後孔に指を突き立てた。予想外の侵入に白坂は体を強張らせるが、指を一本、根元まであっさり受け入れた。
「あう゛ッ……なん……で……ッ」
そう問われて、奏太は自分が求められていたのと違うことをしてたのに気がついた。苦笑を浮かべると、思わず本音が漏れた。
「ごめん、あんた可愛すぎるからさ、我慢できなくなっちゃった」
「あっ、うぅ……ちゃんと、言った…、のに……」
「ごめんって。でも、こっちの方が好きだろ?」
指を出し入れし、濡れた感触を楽しみながら彼の体内を探る。そうすると彼の抗議は吐息に消えた。
「ね?」
「あ……、んん……ッ」
ローションを足して体内に埋める指を二本に増やし、睾丸の裏側を柔らかく押し当てればもがくように体を捩らせた。本当に限界なのか、頭の上にあった両腕を腕を突き出して起き上がろうとする。
「あ゛ッ、ダメだ、ダメだ……本当に……」
ワイシャツに腕をまとめられたまま、己の性器に触れようとする白坂を防いで後孔の指をさらに増やした。
白坂は目の周りを涙でぐしょぐしょに濡らし、髪を振り乱しながら首を横に振った。
「ひぃ……ッ、無理ぃ……イキたい……イキたい……」
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