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「気持ち…っ、良いよ、里佳子…っ」
「んっ…感じてっ、あたしのことっ…いっぱい感じて…っ
気持ち…良いよぉ…っ樹くんっ…樹くんっ」
甘い声が誘惑するようにそう囁きかける。
締め付けられると、どんどん理性が溶けていき、熱くなっている彼女の体の中を浸食したくて、
息が上がるのも忘れて彼女の体を貪った。
吸い付くように締め付けられたら、もう正気は保てない。
胸が苦しくなるぐらいの愛しさに任せて、俺はただ、ひたすら彼女を抱いた。
「んっんっ…あっ」
甘く短い悲鳴が、何度も耳の奥に響いて、ますます脳ミソを狂わせていく。
「樹くん……っ、あ、あたしのこと……好きっ?」
息を上げたまま、俺の首に抱きついて、彼女は唐突にそう聞いてきた。
「好き……だよ…」
「樹くん……っもっと………もっと………深……く……っ」
「………っ!?」
「もっと……っ来て……っあたしを……壊して…っ!犯して…っ!
好き……っ!樹くんが……好きっ!」
甘い吐息と共に、今まで言ったこともなかった言葉が、彼女の口から飛び出した。
何故、今彼女がこんな事を口にしたのか…
俺にはわからなかった。
だけど、優しい猛毒のようなその言葉は、俺の思考をあっと言う間に麻痺させた。
お互いの吐息が混じり合う。
背中に汗が滴るのがわかった。
理性は溶けだしたまま、夢中で抱き合って、その最後の瞬間は、二人同時の最高の快感だった。
倒れるようにして、俺は彼女の細い体を抱き締めた。
お互いの息を吸い込むようにして、一度唇にキスをする。
まだ荒い息の中で、彼女は、俺の肩に頬を埋めて、嬉しそうに微笑(わら)った。
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