0.プロローグ

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08d43249-8abe-442d-b615-67be07bae476  昨日は明け方まで小説を書いてて        寝たのは朝の6時過ぎ。 それで爆睡していると いきなり部屋の襖を爆音とともに開ける奴。 「姉ちゃん、母ちゃんが呼んどるけん!起きいな!」 「…」      また無視かよ。この女。 「それにしても汚ねえなあ。足の踏み場も無いってこういうのを言うんやな」 そう文句言いながら    洗濯してもらった服や下着や   読みかけの雑誌の上を恐る恐る歩く弟。 「ほら!起き!」 そう言ってアタシのお尻を蹴るのは        長男の一太、      近くの焼き鳥屋で働いてる。 寝相が悪いのもアタシの欠点。         良いトコは? そんな質問されても困る。そんな女がアタシ。 結婚やましてや恋すら無理。   心のどこかではそんなことを    何処かの誰かが言っている。    そんな気がする。     だから9割以上は諦めている。 「何すんさ!」 「母ちゃんが呼んどるって!」 「わーっとる!」 「それにしても一応は女なんやからさ、もうちっと部屋片付けえな」 「大きなお世話!」       女だから片付けろ?      女だから料理できるやろ?        女だからーーーー      誰がそんなこと決めた?! そんなことアンタに言われなくても      分かってる。    何回も何回もやろうって頑張ったよ。 一回片付けてもある程度キレイになると満足してそこで止める。そして気付いた時には元の木阿弥。       できんものはできん。 アタシの中に『整理整頓』ってワードはない。 ついでに『我慢』ってワードも当然のように…          ない。
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