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「あ…っ、イく…ッ」 その瞬間、名城が一希の身体を強い力で抱き締め、唇を塞いできた。奥深くまで押し込まれたペニスから、熱い物が溢れている。 二人同時に達した後も続いている長いキスを受け止めながら、一希は汗だくの広い背中を抱き締め直した。 しばらくして唇を離した名城は、数秒程、一希の顔を見つめ、「う〜ん…」と唸りながら首筋に顔を埋めてきた。 「名城さん?」 それきり無言になってしまったので声をかけてみたが、名城はピクリとも動かない。 息が整ってきて、ようやくその部屋をベッドの上から見渡した。部屋に着いた時はキスをしながらベッドに向かうのに夢中で、周りなど全く見ていなかったのだ。 一人暮らしだという名城の部屋は、物が少なくて寂しい印象だ。家具もベッドと小さなテーブルという、最低限の物しかない。必然的にフローリングが見えている面積は広い筈だが、男の一人暮らしらしく雑誌やビールの空き缶などが転がって雑然としている。 「なあ…。俺のチンコ、お前のケツにジャストフィット過ぎねえ?」 思いがけない話題に、一希は意識を名城の方へ戻した。首筋でもぞもぞ喋られるとくすぐったい。 「イくタイミングもいつも一緒だし、締め付けも絶妙だし、お前の中も、ちゃんと俺のがいいとこ擦ってるよな?」 「…まあね」 名城が笑って顔を上げた。思いがけない優しい目で見下ろされて、心臓が変な風に鳴り出す。 「何がまあねだ。よがり狂ってたくせにスカしやがって」 「うるせえな。このタイミングで死にたくなるようなこと言うな」 「賢者タイムか?」 バカにするように言いながら、名城の目は一希を見つめ続けている。オーガズムの後の無防備な姿を観察されているようで落ち着かない。 目を逸らしても、自分の頬が徐々に赤くなるのがわかる。 「あんま見んなよ。つうか、いつまで入れてんだ」 照れ隠しでそんな憎まれ口を叩くと、何故か中に入ったままのペニスが、ビクッと一瞬で硬くなったのが粘膜を通して伝わってきた。その途端、前立腺が圧迫され、一希の身体も反応する。 「え…? な、なんだよ急に」 「うるせえ。てめえがそんな顔してっからだ」 そう言って、名城は身体を離して臨戦態勢になった。先程までの優しい笑顔とは打って変わって、色欲の滲んだ鋭い視線が一希を射抜く。 膝を持ち上げられ、恥ずかしさに抵抗する間も無く、ゆるゆると律動が開始された。 「う、あ…っ」 「さっき俺が出したのがすげえ零れて大変な事になってんぞ。エッロ」 「そ、なの、あんたのせい、あ、あ」 「お前の孔がいやらしい動きで搾り取ったんだろ」 「違…っ、あ、んっ」 「違わねえっつうの。聞こえるか?ぐちゅぐちゅいってんの。たまんねえわ。たっぷりお前ん中に擦り付けてやるよ」 次第に動きが速くなり、孔から零れて腰まで伝ってくる精液に肌を擽られる。 名城が言う通り、彼の性器は長さも形も一希の中にピッタリだ。動くたびに絶妙な快感を与え続ける。 「あっ、あっ、あっ、あっ」 「あ、てめえ、自分で弄るんじゃねえ」 早々に絶頂が近付き、無意識に自分のペニスを握ろうとした手をベッドに縫い留められた。 「や、もう、イかせろよっ」 「はえーよ。まだ頑張れるだろ」 「は、あ、んっ、も、イクッ」 「待てって。頼むから。今、すげえ動きしてんだよ、お前の中が。あー…すげえ」 それを味わうように一番奥で動きを止められて、一希の腰が勝手にうねる。 「ふぁ…っ、あ…っ」 「そんな気持ちいいのか? あんまり可愛い動きすんなよ。犯すぞ」 「バカ、も、おかしてる…っ」 「そうだよな。この二日間で犯されまくりだもんな」 「あ、ああっ」 突然激しく打ち付けられ、一希のペニスから先走りの汁がピュッと噴き出た。 「ほら、ここだろ?」 一希の感じる場所を何度も突かれて再び絶頂に近付く。 徐々に名城の呼吸も荒くなり、その時が近い事を知る。 「あ、ああ…っ、すげえ、もうイクっ。チンコ擦れよ…っ」 「なんでそう、チンコを擦りたがるんだよ。中でイケるだろ?」 「だって、もう、すぐいきたい…っ」 「あ?お前、泣いてんのか?」 「わ、か、んな、は、はやく」 「しょうがねえな」 ようやく本格的なピストンが始まった。絶妙なスピードで粘膜を擦られ、声が抑えられなくなる。 先程まで一希をからかって笑っていた名城の顔からも余裕が消え、額には汗も滲んでいる。 「あ、あ、イク…っ」 「く…っ」 またしても同時に絶頂に達し、一希の身体に被さってきた名城の弛緩した身体を抱き留めた。
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