私は娘の恋人でお姉ちゃん

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 車を走らせてやってきたのはショッピングセンターだった。ここならとりあず服を買ったり、ゲームセンターにいったり、ご飯を食べたり、とにかく何かすることはあるはずだと思った。 「意外とこういうところって来たことなかったよね」  中心部にある吹き抜けの広場を歩きながら、清花は興味深そうに辺りを観察している。 「そうだね。二人で来るなんてちょっと新鮮かも」 「ふふっ。お弁当作って、見晴らしのいい丘に登って、寝転んでるだけで楽しくて仕方なかったんだから。わざわざ来なかったんだよね」  朱雀の写真フォルダだけではわからない二人の足跡。それがほんの少しだけ見えてくる。日記とか予定表を朱雀はつけていなくて、わからないことばかりだ。もっとも、つけていたとして、清花のことだと側からわかるようにはメモをしてはいないだろうけど。 「ゲームセンター行ってみたかったの。行こう、お姉ちゃん!」  清花が私の手を引いて駆け出す。朱雀と清花。二人の関係がどんなだったのか、その輪郭が少しだけ見えたような気がした。
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