好きだった

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好きだった

「ひっど!」  倉科さんとは、大違い。  そういえば、さっき。  何で、マスターは、倉科さんの言葉が、わかったんだろう。聞いてみようかな? 「もしかして、倉科さん?」 「えっ」  何で、わかるの?  もしかして、見えるように──。 「好きだったんだよな」 (うそ……)  マスターが、倉科さんを……。 「うちの、コーヒー」 「そう、なんだ」  そっか……。  だから、さっきも。 「何、ニヤニヤしてんの?」 「別にー?」  今日のコーヒーは、少しだけ苦く、甘かった。
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