好きだった

1/1
前へ
/6ページ
次へ

好きだった

「ひっど!」  倉科さんとは、大違い。  そういえば、さっき。  何で、マスターは、倉科さんの言葉が、わかったんだろう。聞いてみようかな? 「もしかして、倉科さん?」 「えっ」  何で、わかるの?  もしかして、見えるように──。 「好きだったんだよな」 (うそ……)  マスターが、倉科さんを……。 「うちの、コーヒー」 「そう、なんだ」  そっか……。  だから、さっきも。 「何、ニヤニヤしてんの?」 「別にー?」  今日のコーヒーは、少しだけ苦く、甘かった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加