プロローグ

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プロローグ

 わたし間宮イツカは、10才の時に心臓移植を受けた。  定期検診と薬の服用が欠かせない事を除けば、ごく普通の女子高生だ。  病院の帰り道、必ず寄る喫茶店の前で、看護師の倉科さんに会った。  すごくお世話になった人だけど。正直、今はまだ、会いたくなかったな……。 「イツカ、ちゃん……?」 「そうです。お久しぶりです。倉科さん」  倉科さんは、わたしの顔や服をジロジロと眺める。 「あ、あの……」 「ごめんなさいね。元気そうで、良かったわ」 「……お陰様で」
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