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お見通し?
「実は、好きなんです。ここのメロンソーダが」
「ふーん?」
気づかれた?
倉科さんは、勘が良い。
だから、ちょっとだけ、苦手。
「お待たせ」
メロンソーダと、ホットコーヒーが運ばれる。お水もちゃんと、二人分。
うん、大丈夫。
「イツカちゃん……」
「なんですか?」
「どうして、注文を繰り返すの?」
すっかり、油断していたわたしは……。倉科さんの言葉に、肝を冷やす。
「そ、それは……」
だって、オーナーには……。
「おいしいでしょ?うちのコーヒー。自慢なんすよ」
(え……?)
オーナーが、倉科さんに向かって、話しかける。
「そうなんですか。とっても、おいしいです」
「えー、良かった」
マスター。何で、わかったんだろう?でも、助かった。
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