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「よ、良し。じゃあ早速行っちゃおうか? ねっ? 君と俺の新しいパーティで。フフフッ」
やはりロイ、それ位でヘコたれないか。
「分かったわ。ちょうど登録書類も書き終わったし、先にギルド登録を済ませても良いかしら?」
意外にリリアンもロイと普通に接してる。さっきまでブチ切れそうだったのに。
これから冒険に行く事を考えれば安心だけど、もう一人の僕は物足りなさを感じてるぞ?
「勿論! ロミオは依頼書取って来て! すいませ〜ん。受付のマオちゃ〜ん! 居るの分かってんだよ〜。ちょっと来て来て〜」
ロイに呼ばれて出て来たのは先程リリアンに書類を渡していたマオ・ロッソでは無く、恰幅の良い中年女性だった。
「ロイ。大きな声を出さなくても聞こえるわよ。特にあんたの軽口はね」
誰もロイの受付をしたがらない中、このギルドの重鎮、ゼガミア・バタムさんが『ロイ担当』と言っても過言では無い。
「あ……ゼガミアさん。居たんですね。ハハッ、今日もお元気そうで」
「あんたの顔を見なかったら、あと百年は生きられる位元気になるよ」
「俺が燃やすのは貴方の命だけじゃ無いですよ? あなたの心も」
「それで何の用なんだい?」
ゼガミアさんすら口説こうとするとは。ロイやるな。
対するゼガミアさんはロイを睨んでる。
ロイの扱いには慣れ過ぎてて、この後に面白い展開は望めないだろう。
サッサと依頼書を取って来よう。
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