第一章 三人の落ちこぼれ

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 僕が依頼書を持ってカウンターに戻る時にはもうリリアンの登録作業は終わっていた。  ゼガミアさんが僕を見ている。  チョット僕はゼガミアさんが苦手だ。貫禄が有り過ぎるんだよね。 「あ、あの……この……依頼を受けたいんですけど」  僕が差し出した依頼書をゼガミアは依頼を受け取り、中身を確認する。 「またゴブリンかい? 今度は大丈夫なんだろうね?」 「は、はい。その……リリアンさんも一緒なんで……多分」  ゼガミアは少し驚いた様にリリアンを見た。  まぁ、その反応は最もだと思う。 「あんた。ロミー坊や達と一緒に行くのかい?」  ロミー坊や。  このギルドでは殆どの人が僕をそう呼ぶ。  背が低いし、ギルドアカデミーの成績も最悪。甘んじて受け入れてます。 「はい。今日は私一人で依頼を受けれないと聞いたんで」  ゼガミアはため息をつきながらカウンターに体を預ける。 「良いかい。見捨てる順番はユリウス、ロミオの順番にしな」  そしてゼガミアはリリアンに顔を寄せてこう付け加えた。 「ロイは事故に見せかけて……良いからね」  リリアンはゼガミアを見返すも、その表情から冗談を言っているのか判断がつかない様だ。  まぁ、初めての人は冗談だって思うよね?  でもゼガミアさんは冗談言うタイプでは無いです。  どう返して良いか分からず、リリアンは苦笑いを浮かべて僕を見た。  だから僕も苦笑いを浮かべつつ答える。 「その時は言って。手伝うから」
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