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僕が依頼書を持ってカウンターに戻る時にはもうリリアンの登録作業は終わっていた。
ゼガミアさんが僕を見ている。
チョット僕はゼガミアさんが苦手だ。貫禄が有り過ぎるんだよね。
「あ、あの……この……依頼を受けたいんですけど」
僕が差し出した依頼書をゼガミアは依頼を受け取り、中身を確認する。
「またゴブリンかい? 今度は大丈夫なんだろうね?」
「は、はい。その……リリアンさんも一緒なんで……多分」
ゼガミアは少し驚いた様にリリアンを見た。
まぁ、その反応は最もだと思う。
「あんた。ロミー坊や達と一緒に行くのかい?」
ロミー坊や。
このギルドでは殆どの人が僕をそう呼ぶ。
背が低いし、ギルドアカデミーの成績も最悪。甘んじて受け入れてます。
「はい。今日は私一人で依頼を受けれないと聞いたんで」
ゼガミアはため息をつきながらカウンターに体を預ける。
「良いかい。見捨てる順番はユリウス、ロミオの順番にしな」
そしてゼガミアはリリアンに顔を寄せてこう付け加えた。
「ロイは事故に見せかけて……良いからね」
リリアンはゼガミアを見返すも、その表情から冗談を言っているのか判断がつかない様だ。
まぁ、初めての人は冗談だって思うよね?
でもゼガミアさんは冗談言うタイプでは無いです。
どう返して良いか分からず、リリアンは苦笑いを浮かべて僕を見た。
だから僕も苦笑いを浮かべつつ答える。
「その時は言って。手伝うから」
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