第一章 三人の落ちこぼれ

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「それで今日、これからゴブリンの討伐に行く事になったんだ」  僕がそう言うとユリウスは不機嫌そうに答える。 「ゴブリンは縁起が悪いと言ったじゃないか」 「縁起なんか関係ないよ! ダン・フォードだってメイクーン星へ行く時に『行ってみりゃ分かる』って言ってたじゃないか!」  僕は『星間戦争』のセリフを持ち出す。  ユリウスは小説のキャラクターを敬愛している。きっとユリウスは食い付いて来るはずだ。 「おぉ。呪いと災いの星、メイクーン星! さて、ユリウスはどう出るかな?」  ロイは楽しそうに僕達の成り行きを見守ってる。  完全に他人事だ。  リリアンは何の話しをしているのか分からず、困惑している。  そうなるよね。 「ダン・フォードには頼れる相棒のウーピー・スタモアが居るじゃないか! 君達じゃ頼りない」 「だからリリアンに協力してもらうんじゃないか!」  僕がそう言うとユリウスはリリアンを値踏みする様に見る。 「装備は立派だけど初めて会う人だ。どれだけの腕前か分からないじゃん」 「君が『スカウトしたら』って言うから誘ってきたのに!」 「僕は彼女とパーティを組むのが嫌なんじゃない。次の依頼はゴブリン以外が良いって言ってるんだ」  ロイはそんな僕達のやり取りを笑って眺めている。 「ハハハッ。残念ながらユリウスのワガママが勝ちそうだね」  しかし何故ロイはこうも他人事なんだ。 「ロイだってリリアンと依頼受けたいだろ?」 「……もう少し一人で頑張って。見てる方が楽しいから」  そう。これが僕達の日常だ。
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