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「だったら討伐しようよ! ゴブリンぐらい倒せないと仕事なんかないって! それこそ子供にも出来る仕事しかね!」
そう僕が訴えても二人の反応は冷ややかだった。
「相手が何体居るのか分からないし、こっちからゴブリンの住みかに乗り込むんだよ? 慎重にならざる得ないよ」
ユリウスは本当に理屈っぽい。
「そうそう。それに前回はロミオのせいで失敗したんだからな? ロミオこそ討伐出来る自信あるのか?」
ロイの言葉はイチイチ感に触る。これがロイのやり方。人を怒らせてその反応を楽しむ。ロイはそんな奴。
「僕のせいじゃない! ユリウスの作戦が悪かったんだ!」
「悪いけど僕の作戦はいつでも完璧。森に住むゴブリンに、木の上から奇襲するのは文句のつけようのない作戦だ。……やっぱり僕は天才だ」
ユリウスはそう言いながら、満足気に頷いた。
確かに僕はユリウスの作戦に文句は無かった。その時は。
しかし、その作戦には大きな穴があったんだよ。
「誰も木に登れなかったじゃないか!」
そう。僕等は木登りすら出来ない運動音痴だったのだ。
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