第一章 三人の落ちこぼれ

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 僕が掲示板に依頼書をピンで留めていると、ギルドの扉が開く音が聞こえた。  多くのギルドメンバーは既に依頼をこなしに行ってるはずの時間。  こんな時間にギルドへ来るのは前日に酒を飲み過ぎたとか、やる気のない奴等だ。  だが今回は例外の様だ。  僕が振り向くと立派な鎧を纏った女性が入ってきた。  綺麗なブロンドのロングヘアーをなびかせ、女性が歩いてくる。 「こんにちは」  女性の言葉に僕は後ろを振り向いた。  勿論そこにあるのは掲示板だ。  言い訳させてもらえば、これは彼女を無視したわけではない。  僕が最後に女性から声を掛けられたのはいつだったか分からない程昔だ。  だから僕以外に言ったと思ったんだ。  慌てて僕は彼女の方へ向き直る。女性はそんな僕を訝しんだ表情で通り過ぎていった。  なぜ声を掛けなかったかって? 僕は女性と話す時には心の準備が要るんだ。だからこれも仕方ない。  それでも僕はその後ろ姿に向かって口を開きかけたんだ。その努力は認めて欲しい! 「今の子知り合いか?」  僕が席に戻るとロイが聞いてきた。 「いや、知らない人だよ」 「見ない顔だね。新しくギルドに登録するのかな?」  ユリウスにそう言われて、僕も彼女の方へもう一度振り返る。  確かに女性はギルドのカウンターで受付嬢と何やら話していた。  ユリウスの言う通り、登録手続きをしているのかもしれない。
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