第一章 三人の落ちこぼれ

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「本当に止めなくて良いんだな?」  僕はユリウスに念を押す。一応、彼は僕等のリーダーだ。リーダーが良いと言えば僕はそれに従おう。……面白そうだし。 「良いんじゃない? それに彼女はきっと『ウォーリア』だよ」  たまにユリウスは唐突な物言いをする。『ウォーリア』だから良い? ロイが殴られる所を見られるからか?  ロイが殴られるなんて別に珍しくもないぞ?  気になる。 「ねぇ。それってどういう事?」  一応、ユリウスに聞いてみたが、ユリウスは『そんな事も分からないのか?』と言いたげな表情だ。 「彼女を見て分からない? 立派な鎧に立派な剣。間違いなく彼女は『ウォーリア』だよ」 「そんなの僕だって分かるよ! 彼女が『ウォーリア』だから何って事!」 「まったく……良いかい? 僕らが何故ゴブリンごときに遅れをとっているか分かる?」  僕はユリウスの作戦だと頭によぎるが、言葉にはしなかった。またグチグチ言われなさそうな事を考えてみよう。 「……チームワーク?」 「違う。パーティー構成さ。僕が『アーチャー』でロミオが『ウィザード』、そしてロイが『ヒーラー』。接近戦担当(インファイター)が居ない事だ」  そんな事はわざわざ言われなくても僕だって分かっている。 「だから何?」  まったくロイの件とは関係ないじゃないか! 「インファイターがいんなぁいんだー……イマイチだな」  今そう言うの要らないから。
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