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「本当に止めなくて良いんだな?」
僕はユリウスに念を押す。一応、彼は僕等のリーダーだ。リーダーが良いと言えば僕はそれに従おう。……面白そうだし。
「良いんじゃない? それに彼女はきっと『ウォーリア』だよ」
たまにユリウスは唐突な物言いをする。『ウォーリア』だから良い? ロイが殴られる所を見られるからか?
ロイが殴られるなんて別に珍しくもないぞ?
気になる。
「ねぇ。それってどういう事?」
一応、ユリウスに聞いてみたが、ユリウスは『そんな事も分からないのか?』と言いたげな表情だ。
「彼女を見て分からない? 立派な鎧に立派な剣。間違いなく彼女は『ウォーリア』だよ」
「そんなの僕だって分かるよ! 彼女が『ウォーリア』だから何って事!」
「まったく……良いかい? 僕らが何故ゴブリンごときに遅れをとっているか分かる?」
僕はユリウスの作戦だと頭によぎるが、言葉にはしなかった。またグチグチ言われなさそうな事を考えてみよう。
「……チームワーク?」
「違う。パーティー構成さ。僕が『アーチャー』でロミオが『ウィザード』、そしてロイが『ヒーラー』。接近戦担当が居ない事だ」
そんな事はわざわざ言われなくても僕だって分かっている。
「だから何?」
まったくロイの件とは関係ないじゃないか!
「インファイターがいんなぁいんだー……イマイチだな」
今そう言うの要らないから。
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