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「でー、美香はどんな人と赤い糸が繋がっててほしいわけ?」
お弁当の時間によく私たちは恋ばなをする。
どんな人が運命の人なのか。
赤い糸の先はどんな人が待っているのか。
「そりゃー、優しいのは当たり前でしょー。
でー、背が180センチ以上あってー、イケメンでー、子供が好きでー、そんでもって将来は有望なお方。」
メロンパンをほうばりながら答える。
「なかなか理想が高いのね。」
親友の花菜は笑いながらお弁当のタコさんウインナーをつついた。
「リア充の花菜はいいよねー。赤い糸の先のお相手とちゃんと出合えたんだから。しかもイケメンの先輩だしさ。」
花菜は二個上の先輩と部活で出逢い、お付き合いをしている。
赤い糸を手繰り寄せたって訳ではないんだけども、気がついたらごちゃごちゃしてて、見えない糸の先が、いつのまにか先輩ときれいに繋がっていた。
そして先輩から花菜に告白したわけだ。
「まーわからないものよ!人生なにがあるかなんてさ。楽しみじゃない。」
2個目のウインナーをつつきながら、にっこり笑った。
「私も運命の人に出会えますように。」
そうお祈りしながら、食べ終わったメロンパンのごみを丸めてゴミ箱に投げた。
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