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メロンパンを食べてから、購買で早々に手に入れた手作りプリンを食べようとする。
うちのプリンは購買のおばちゃんの手作りで、数量限定だから、チャイムがなったらダッシュで行かないと手に入らない。
「美香ゲットできたんだね~。」
「そりゃダッシュでいったからねー」
「いただきまーす!」
プリンにスプーンを入れようとしたところで
「美香まてい!」
と叫んで来たのは近くに座っていた正木だった。
「…なに正木。」
正木は幼馴染みの男の子で、ばりばりの野球部。幼稚園からの仲だから喧嘩だってするし、何でも言い合える。だけど、高校生にもなって、小さい頃と同じようにからんで来るのは正直鬱陶しい。
「俺の買ったシュークリームとそのプリン、交換しない??今ならチロルチョコもつけたる。」
「やだよ。」
私は即答する。プリン食べたくてわざわざダッシュしたのに、コンビニシュークリームとチロルチョコで交換しようとは何事だ。
「ちぇー…。今日は俺の誕生日ってしってたか美香~。」
それは正直しらない。だけどそんなこと知ったことではない。
しっしと手で正木を払うと、プリンをパクパクと食べ始めた。
「あぁー…」
正木はがっくりと肩を落とす。ふりをした。
たぁ私と正木はいつもこんな関係なので、花菜も笑ってその様子を見つめていた。
「正木と美香って仲いいよね。」
「仲良くない!」
即答する。私は何度も自分小指を何度も確認する。
(正木とは赤い糸、繋がってない。)
失礼かもしれないけど、「ふーっ」と肩を撫で下ろす。
正木の赤い糸も皆の赤い糸とまじって、先は見えなくなっていた。
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