6人が本棚に入れています
本棚に追加
「夜はやっぱり、もう寒いね」
ひんやりとした空の下。
街灯が少ない道を2人で歩き、彼はぼんやりと空を見上げて言う。
私も空を見上げると、こぼれ落ちそうな三日月が、そこにはあった。
「三日月の日って、夜が短いのかな」
私は、思ったことをただ口にした。
彼は、私を見て笑ったような気がした。
「そういうことじゃないよ。
ただ単に、地球と月と太陽の位置がくるくる巡っているからだよ」
思わぬ現実的な言葉に、私は落胆した。
「夢のないこと言うのね」
最初のコメントを投稿しよう!