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家に帰ると、リビングから楽し気な笑い声が聞こえた。
「星の形!可愛いでしょ」
「お、上手だねー。でも私なんかハート型だもーん!こっちの方が上手だもーん」
「えぇ!?だってこのハート曲がってるよ!」
どちらも少し高めの声。女性の声だ。
「ただいま」
リビングに入ると、咲菜がテーブルの上で何かをこねているのが見えた。
その傍らには一人の女性が立ち膝で同じように作業をしている。
「お帰り、康次。今ね、咲菜ちゃんとパン焼くところ」
そう言ったのは近所に住む従姉の弓枝だった。
39歳で年下だが、自分の意思をしっかり持った女性だ。つい最近、新聞社を辞めて、今は保育士資格を取るために勉強中だ。
咲菜と出会った日、「弓枝にぴったりのアルバイトがある」と持ちかけ、咲菜の面倒を見てもらいたいとお願いしたのだ。
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