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寄せては返す波がきらきらと輝いている。
砂浜で裸足になった私たちは、つい数分前とは別人の顔をして、白波へと飛び込んだ。
笑い声が響き、白いワンピースのスカートが水を吸っていくのを感じながら、海水の中を進む。
「あのブイまで競争しよう!」
「だめだよ。時間までに帰ってこれないもん」
「そうだよな…休憩終わっちゃうか。久しぶりの海なのに…」
煌鵺はそう言って海水の中に潜ると、私の脚首を掴んだ。
態勢を崩した私は見事に転び、全身水浸しになった。
「ちょっとー!ひどいよ!」
顔の水を手で拭いながら煌鵺を見たら、満面の笑みを浮かべ爽やかに笑う。
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