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コンピュータ制御室に入って唖然とした。
部屋の場所は知っていたし、部屋に入れば塀を消す方法は分かるだろうと高を括っていた自分がいたのも確かだ。
しかしまあ、そのコンピュータの複雑さにがっかりする。
技術が進歩した割に使い勝手が悪い。
大尉が言っていた電源ボタンがどこにあるのかすら分からない。
「先生、このボタンを頼む」
大尉に指差されたボタンは壁面にあり、その周囲にもたくさんのカラフルなボタンが並んでいた。
俺がそのボタンを確認すると、大尉は別の場所へ向かった。
機械を隔てた向こう側に消えた大尉が、「せーの、でボタンを押してくれ」と言った。
「分かった」
ふと煌鵺を見ると、怪訝な顔をしている。
今まで散々煌鵺をいじめてきた相手が一緒に島を出ようと協力していることが不思議でしょうがないらしい。
「先生、行くぞ」
せーの…と言う掛け声で同時にボタンを押した。
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