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私はクローゼットの中からパステルピンクのTシャツとジーンズを取り出した。
それらに着替えると、少し露出が気になってグレーのパーカーを羽織る。
最後に靴を探していると、すごい靴と出会った。
「すごい…これ何?」
靴を手に取り、目を輝かせて革を撫でてみた。
ワイン色も好きだし、デザインも独特でかっこいいと思えた。
ただひとつだけ気になる事があってソミアに声を掛けた。
「あの…これって…普通の靴ですか?」
「あ?いや…それは安全靴だよ。そういやいくつか作ったんだっけ」
床に並ぶ靴を見ながら、ソミアは一瞬だけ探そうと思ったようだが、すぐに諦めてしまった。
「そりゃ、つま先に鉄の板みたいのが入ってて、つま先を守ってくれんだよ。それほど重くも無いし、デザインだけ見ればどれも一緒でしょ」
投げやりにそう言った後、真尋の服と靴を選んだソミアはクローゼットを閉めてしまった。
家具や食料もそんなにないのになぜここまで大量の服を手に入れることができたのか不思議で仕方なかった。
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