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「なんのために連れ去るんですか……？殺す意味ってなんですか？」
私は何となく質問していた。
何事にも意味があるはず。無法地帯とは言え、初対面の人間を殺してもメリットがないなら放っておくはずなのに、わざわざあの境界線を越える瞬間を待っていた。
つまり、そうすることに意味があるからだ。
「殺すとは言ってない。
…でも、最悪殺される可能性もある。こんな島で生きてくための金を稼ぐには、仕事として出来る事が少なすぎる。土地が広いわけでもないし、犯罪者の一部は学もない。稼ぐ方法が分からなくて税金が払えず殺されるヤツもいる。
生きてりゃ歳もとるし、食べるものがなければ体力もなくなっていく。そうなったとき…一番欲しいものはなんだ？」
セイの言葉の意味を私なりに考えてみた。
この環境で稼ぐ方法を考えてみても、やっぱり農業や工芸品ぐらいしか浮かばない。でも、工芸品で稼ごうと思ったら知識は必要だ。学もなければ経験もない一般人にはなかなか難しい。
それに農業をやっていこうと思ったら土地も体力も必要で、作物の苗や種なんかを買うお金も必要になる。
土の管理や天気を気遣いながら、重機の無い環境では重労働が強いられる。
きっとこれがセイの答えなんだ。
どう考えたって、生きていくために必要なものはアレしかなかった。
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