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外では絶えず銃声音が鳴り響き、男の声が交差する。
先生は窓から様子を窺いながら、私たちにキッチンに隠れるように言った。
「ギャー!!」と、叫び声が聞こえ、今度は暗闇の中に明かりが揺らめき始めた。
「火事だ……」
キッチンに隠れようとしていた私たちの耳に、先生の声が聞こえた。
窓の外で揺れていた炎は徐々に大きくなり、正面に見える寮全体に燃え広がった。
「嘘……」
思わず立ち止まった私の手首を煌鵺が強く引っ張って、私たちは明かりも点いていないキッチンに身を寄せた。
暗闇の中で悲鳴が聞こえる。
銃声と叫び声…サイレンの音……。
私と煌鵺は身を寄せ合いながら、耳を塞ぎ、目を瞑った―――。
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