嘘とか幸せとか嫌いとか

4/4
前へ
/4ページ
次へ
 瞼をゆっくりと開くと、彼女が恥ずかしそうに頬を赤らめていた。そんなことされたら、僕まで顔が熱くなって、目を合わせられなってしまう。  やっぱり誓いだとしても、これは人前でするもんじゃない。   「ねえ」  彼女の声が聞こえた。  顔を戻すと、彼女とまっすぐ目があった。  彼女は涙を流しながら笑っていた。嬉しいのか悲しいのか、僕にはよくわからなかった。    「ありがとう」  けれど、そんなことは、どうでもよかった。  その苦い白色は、本当に綺麗だった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加