1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
0-2 バラバラの春キャンプ
マスコミに叩かれながら始まったセリン監督の新体制。
そんな彼女は騒動を起こし、巻き込まれ続ける。
15名指名した選手のうち、ドラ1を含めた9名が指名拒否。
あまり活躍していないベテラン15名を一斉解雇。
新助っ人は20才のプロ未経験である女子選手2名、そして米女子リーグの投手のみ。
更に、戦力補強は育成契約を蹴った女子選手1人のみ。
結局、やたらと女子選手を増やし、ベテラン選手を切り捨てただけだ。
こんなちぐはぐな改革は反感を呼び、球団OBだけでなく、ベイスターズファンがSNSで苦言を垂れ流し続け、開幕前なのに新監督の解任要請がトレンド入りするまでになる。
そんな中、開幕前の春キャンプが1週間後に控えたある日、
私の元に後輩がやってきた。
「我野先輩、キャンプのやつ見ました!?」
『うん、見た見た まさか、本当にやるとはねー』
彼女は白石、1年留年した私とバッテリーを組む後輩で、彼女もドラ7でベイスターズに指名された。
そんな彼女が話しているのは、春キャンプでの1軍メンバー。
一般的には、1軍は主力メンバー、2軍はまだ実績のないルーキーというパターンになる。
しかし、今回は逆だ。
新加入選手と実績のある選手は一軍、それ以外は問答無用で2軍となっている。
さらには、実績関係なく、完全に実力だけで開幕メンバーを決めるとのこと。
「良かったですね、私達が期待されているということですよ」
『そうだね、このまま開幕一軍を目指そう』
「ハマスタで先輩が投げる時は、私がしっかり取りますから」
『うん、期待しているよ』
期待してもらっているのはありがたいけど、心の奥底にひっかかりを感じる。何か嫌な予感がする...気のせいだといいけど。
最初のコメントを投稿しよう!