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事の発端は、インテックス大阪で開催されるコミックシティ(みんなが知っている、コミケのような同人誌即売会イベント)内での出来事だ。
この日、私はかねてから自身の人気シリーズ『鳥井教授』ものの新刊を発売する予定だった。
しかし表向きの派遣の仕事が忙しく、ノー残業で通している私にまで残業が及び、断ったら派遣の仕事を辞めざるを得ない状況下だった為、仕方なく残業した結果、新刊の入稿締め切りを危うく落としそうになってしまったのだ。
こんな事は同人作家人生で、初めての事だった。
お陰で、折角買いに来てくれるお客様に配布するペーパー(宣伝チラシの事をペーパーと専門用語で言う)と、おまけの小さな冊子作製まで手が回らずに、こちらの入稿締切を落としてしまったから、仕方なくコピーに切り替えた。
コピーは自主生産だ。時間さえあれば、最悪当日に自分で何とかできる。
だからペーパーとおまけの原稿を休みの土曜日だけで仕上げ、徹夜で近所のコンビニのコピー機を占領してそれらをコピー生産し、都内から始発の新幹線に乗って、車内で内職したバカ重たいその冊子達をキャリーケースいっぱいに詰めて会場に運び、準備をした。
新大阪からタクシーを使ったが、炎天下、もやしの体力しか無い私には地獄だった。
基本オタクは、体力が無い。もやしで、日陰好きだから。
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