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6話 黒い手紙
6、黒い手紙
アリアがすんなり、国王であるリチャードと離婚して城から帰って来たある日の晩、馬のいななきが聞こえたアリアは
家から出で玄関で城の兵士から黒い封書を受け取っていた。
城から兵が来ることは、貴族であれば珍しい事ではないが、アリアは自分あてに来た黒い封書を見つめ、
一人ため息をついた。
アリアは黒い封書を月明かりにかざして
「中身なんだろう」
と呟きながら、城に戻った後、リチャードに
「これからは手紙で、呼び出す、ことにするよ、でないと人の目が気になるしな」
そう言われたのを思い出しアリアは封を切った手紙を取り出し中を改めればアリアは一人溜息をついた。
皆が寝静まったこんな時間に城に来いと言うのだ。
アリアが戸惑えば黒い手紙には
「来ないと、明日迎えに行く」
と書いてあり、アリアが戸惑えばさらに
「騒ぎになりたくなければ素直に来る事」
とご丁寧に添えてあってアリアは父親に城に行くと言うと城の兵士が不審そうな顔をしてきたのでアリアは
「これ、手紙貰って来たのですが」
そう言うなり兵士が封筒を見つめると
「見たことないな? 誰からだ?」
確認を取るよう聞かれたのでアリアは
「レイヤ陛下からです」
と言えば兵士が黙った。
笑われると身構えれば
「なるほどねぇー、確かに、元・妃様なら
ありうる話か? 良いだろう、でっ、行先は?」
兵士に問いかけられてアリアも戸惑う。
「陛下の居場所、しりませんか?」
小声で尋ねれば兵士が眉間に皺を寄せて
「私はここの門番だから、場内までは、今なら、
多分、執務室か、寝室はまだないだろうから・・・・・・」
そう言いながら兵士が困り顔をするとアリアは慌てて
「中で聞いてみます」
そう言うと手紙を受け取って歩き始めた。
中に入ると、夜とは思えぬ明るさで、
『さすがは、レグリア城だわ』
っと心の中で歩きながら思って居ると見知った顔が目の前を歩いてきたので
「ハルバートさん」
そう呟くように言って駆け寄れば、ハルバートもアリアに気づくと
「えっ、何故貴女が?」
そう問いかけられてアリアは苦笑すると
「陛下に、呼び出されたのよ、離婚早々、失礼だとは思わない? もう少し、ゆっくりさせてほしい」
そうボヤけば、それを聞いたハルバートは辺りを見回してしぃーっと人差し指を立てると
「陛下に聞かれたらどうするおつもりですか? 貴女と言う方は、相変わらず、の、おてんばぷりですね」
少し窘められれば、アリアは苦笑で返した。
手紙の内容を確認したハルバートは額に手を当てると
「あの人は、何を考えているんだ? この前も、俺と君が来店したとき、嫉妬したらしいし」
そう言われてアリアはびっくりした顔で
「あれが、あれが嫉妬ですって」
すごい剣幕で言ったものだからハルバートも驚いたらしい。
「そんな言い方もするんですね、こわっ」
そう言われてアリアは歯焦らしそうに顔を赤め俯いた。
その仕草にハルバートが苦笑で返すと
「俺がついて行ってあげたいけど、多分、
この後の展開が、目に見えてそうだからなぁ」
そう言うなりアリアに中央の扉を指さすと
「中で電気着けて待ってて、読んできた方が
余計な火種がなくて、済む」
そう言われてアリアが頭を下げるとハルバートが
歩いていくとアリアは扉を開いて謁見の間の
電気をつけ始めた。
ガラスのシャンデリアに炎魔法が供給され
神々しく赤色に灯ればアリアは辺りを見回す。
「ここには、来た事がなかったなぁ」
そう、アリアが王妃だった頃、椅子には一度も
座った事がなかった。
気にはなっていたので、リチャードの席に行くと、腰を下ろし座ってみる。
そのまま眠たそうにあくびをすると眠ってしまった。
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