第八章

6/6
前へ
 /29ページ
次へ
 ベッドサイドから出した避妊具を手早くつけて、逞しい身体が覆い被さってきた。シャワールームで挿れられた時と同じように片足だけを抱え上げられる。  しかし、今度は真正面から暁史の顔を見ることができる。攣りそうなほど大きく足を開かされ、硬い先端で蜜壺を擦られる。 「あっ、ん……も……早く」  ヌルヌルと愛液をかき混ぜるように陰唇に塗りたくられて、亀頭が包皮が捲れ勃ち上がった芯を掠めると、腰が浮き上がってしまう。 「すごいな……溢れてくる」  掠れた声で告げる暁史の視線の先がふたばの濡れた膣口を凝視していて、羞恥で居ても立っても居られない。 「見ちゃ、やだぁっ」 「俺しか見てないだろう?」  ますます劣情に濡れた声で言われると、早く欲しいと畝る膣口がパックリと口を開けて多量の蜜を溢れさせる。  挿れられてもいないのに、擦られるだけでヌチュヌチュと濡れ音が立つ。一度精を放った暁史は幾分余裕があるのか、焦らすように陰核ばかりを責め立てる。 「もう……っ、お願い……挿れて」 「じゃあ、俺を安心させて」  暁史はよく言葉を求める。好きだとか愛してるとか。  ふたばはどうにも羞恥が勝ってしまい、なかなか感情をそのまま口に出すことはできないが、彼が喜んでくれるならという思いはあった。 「あぁぁっ、んん」  グリッと陰核が押しつぶされて、ふたばは背中を跳ねさせながら喘いだ。早く言ってと言わんばかりに、弱い場所を擦られる。 「あっ、あん、あぁっ、も……やっ」  すすり泣くような声が上がり、凄絶な喜悦に背中が波打った。好きな人に抱かれる心地よさは、何にも代えがたい喜びだと、暁史と肌を合わせて知った。  狂おしいほどの想いが溢れでて止まらない。 「暁史さんのこと、好き……っ、好き、愛してる」  満面の笑みを浮かべた暁史の唇が深く重なってくる。ポタポタと汗が滴り落ちて、彼の汗の匂いすらもふたばにとっては好ましく感じてしまうのだ。 「俺を、好き?」 「ん、ううっ……好き、好きっ……あぁっう!」  ズリュッと一気に肉棒が突き挿れられると、ギリギリまで焦らされていたふたばの身体はあっという間に絶頂へと昇らされる。 「あっ……ぅ、はぁっ」  ビクンビクンと腰を戦慄かせて、太い陰茎を最奥まで飲み込んだ膣襞が痙攣する。息が詰まり頭が朦朧とするが、容赦なく腰を打ちつけられて、無理やり覚醒させられる。 「あぁっ、あっ、あっ……深いの、それっ」  達した余韻に浸る間もなく、子宮口にキスするほど深い場所を穿ってくる。  膣壁が畝り、欲望を締めつけるが、先ほどよりも余裕のある男はふたばの弱い場所ばかりを狙う。  身体の奥が熱くなって、達したばかりだというのに、ふたたび芯が熱を持つ。甲高く声が上がる場所ばかりを狙って幾度となく突いてくるものだから、もう堪らないほど気持ちいい。  全身が蕩けてしまいそうだ。暁史に貫かれるたびに、自分とか彼を隔てるものがなくなって、一つに合わさるような感覚に陥る。  ドクドクと脈打つ陰茎の鼓動までをも薄い膜ごしに感じ取れる気さえする。  ヌチュヌチュという粘着質な濡れ音に鼓膜が揺れる。暁史の吐息や、自身の声、肌を打つ音にまで脳芯が痺れるほど感じ入ってしまう。 「もう……ダメっ、達く、達っちゃ……」  全神経が下肢に集中し、さらなる高みへ昇ろうと濡れ襞が蠢く。ピッタリと隙間なく暁史の欲望を締めつけ身体を震わせると、クリクリと親指と人差し指で花芽が抓まれた。 「ひぁぁっ!」  ビクビクと腰を波立たせて、達してしまう。頭を仰け反らせて、呼吸もままならない状態で足先を強張らせると、中を穿つ暁史の欲望が形を変えた。 「ふたば……っ、もう」  捻りこむように欲望を突き挿れられて、最奥で熱い飛沫が噴き上がる。薄膜越しにも、熱い奔流を感じて、ふたばは四肢の力を抜いた。  チュポッと愛液の絡まる淫猥な音を立てながら、屹立が引き抜かれる。  身体は満たされているのに、あまりに暁史の腕の中は心地よくて、キュッと抜けていく欲望を締めつけてしまう。 「……っ、こら」 「あ……」  無意識に中を窄めるように力を入れると、萎えていた性器がふたたび硬く形を変えていく。 「君が辛いだろう?」  言葉とは裏腹な動きで軽く腰を揺らされる。それだけでチュポチュポと淫靡な水音が立ち、甘やかな痺れに全身が包まれる。 「はぁっ……ん、でも」  逃さないとばかりに欲望を締めつけてしまい、暁史が苦笑を漏らした。 「ゴム変えるから、ちょっと待って」  暁史は一度屹立を引き抜くと、手早く避妊具を外しゴミ箱へと投げ捨てた。 (いいのに……そのままでも)  一度目も二度目もきっちりと避妊してくれるのは嬉しい。  けれど、欲に溺れているわけではなく、この人ならと思ってしまった。  まだ付きあって間もない自分たちには早過ぎることもわかっている。男性よりも女性側の負担が大きいことも。  両親を失って、わかばが家から出られなくなってから、ずっと一人で頑張ってきた。わかばと話すらできず寂しいことも多かった。誰にも頼ることができず、誰かに甘えることはできなかったのだ。  ふたばが何か目的があって近づいてきたのを知っても、愛してると言ってくれた人だから。暁史に抱かれて、この人の子どもを産みたいと思った。 「そのまま……欲しい」  気づけばそう口にしていた。  驚愕に満ちた顔を向けられたけれど、ふたばは避妊具をベッドサイドに戻した。 「いや……でも」 「暁史さんの子どもが欲しいって言ったら、重い?」  重いに決まっている。結婚しようとも言われていないのに子どもなどと。  それでも、暁史ならばそんなふたばですら受け止めてくれるのではないかと思った。 「じゃあ、このまま婚姻届でも出しに行こうか。指輪は後になってしまうけど」  覆い被さってきた暁史に口づけられる。 「一回でできるかなんてわからないですよ?」 「別に子どもができたら責任取るって言ってるわけじゃない。俺が、ふたばと結婚したいんだよ。ふたばがそうしてもいいと言うなら、遠慮はしない」  白濁にまみれた怒張を子宮口目がけて突き挿れられる。避妊具越しよりも滑らかに柔襞を擦る欲望で、残滓を注ぎ込むように最奥を突き上げてくる。 「あぁ──っ」 「さっきより感じてる? 中がすごい締まってる。ほら、先っぽに残った種、全部入ってくのわかるか?」  胸元を密着させて耳元で囁かれると、キュッと膣口に力が入ってしまう。  子宮口に押し当てられて、もしかしたら今、身体の中で新しい命が作られているのかもしれないと思ったら、まだいもしない我が子の顔を思い浮かべて心底幸せな気持ちになった。 「あ、きふみさっ……好き」 「愛してるよ、ふたば」  好き、好きと譫言のように呟きながら、身体の中に注がれる熱い飛沫を受け止めた。

最初のコメントを投稿しよう!

5651人が本棚に入れています
本棚に追加
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>