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懐かしき日々
僕が高校に入ってまもなく、犬が死んだ。理由はよくわからない。学校から帰ったら、妹が泣きながら、床下にいる犬を引きずり出そうとしていた。
僕が幼稚園に入る前に家にやってきた犬だから、老衰だったのかもしれない。小さい頃は、妹といっしょにその犬とよく遊んだものだった。ふだん庭につないでいたのが、何かの拍子で家の中に入ってしまい、畳が泥だらけになって大混乱になったことを鮮明に覚えている。
犬が死んでしばらくして、ふたたび学校から帰ると、庭にダンボール箱が置いてありそばに祖母がいた。
その中には”ちび”が横たわり、舌を出しながら苦しそうに息をしていた。
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