為せば成る

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暫しの沈黙の後──。 少年は、ぴんと伸ばした指先で、黒縁眼鏡の端を上に持ち上げながら、答えた。 「解りました。その挑戦、お受けします。」 「本当ですか!?」 「はい。準備期間は何日欲しいですか?」 茉莉は、束の間、思案する。 そして、指を三本立てて答えた。 「三日…いや、一週間の時間を下さい!必ずマスターします!!」 「了解です。では、七日後の日曜日…同じ時間に伺います。すずかぜ嬢の成長、楽しみにしています。」 視線を交える二人の間に、激しい火花が散る。そして、この日を境に、茉莉と少年は『挑む者』と『判定する者』という関係に変わってゆくのだった…。
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