不撓不屈

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充分に熱したフライパンに、(おもむ)ろに肉を投入。ジュ!という小気味よい音がしたら、少し押し付けて焼き目を入れる。 肉から滲み出た油を廻しかけ、時々フライパンを揺する。頃合いを見て裏に返し、また肉を押し付けて焼き目を着ける。 ──良い。非常に、良い調子だ。 今度こそ完成か、茉莉風ポークソテー?? 焼き上がった肉をバットに入れ、アルミ箔を被せて、休ませれば… 「っしゃー、ミッションクリア! どうだってんだ!! てやんでぃ、べらんめぇ!」 調子づいて、何故かべらんめぇ口調になる『すずかぜ食堂』の看板娘。 するとそこへ、父・丈太郎が現れて言った。 「焼けたか、茉莉。」 「おと…おと、お父さん!?」 「モタモタすんな。次はソースだ。」 「お、おう…」 父の登場に驚く暇も無く── すずかぜ嬢は、ソース作りに取りかかった。
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