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「小夜ちゃんさぁ、よく来たぁ。疲れたなや?」
「おばさん、お世話になります!まだまだ元気ですよ!」
翔子の母、俊子(としこ)が小夜に声をかける。
「しばらくここのお座敷、使っていいけのう!」
「すみません、ありがとうございます」
お座敷には、沢山の置物や日本人形が飾られていた。
懐かしいやら、怖いやら複雑。
その夜、名無し村中の人達が公民館に集まり、食事やお酒の準備をして慌ただしく動いていた。
私はてっきり翔子ちゃんの家で、ご馳走になるのかと思っていたのに、全くの想定外だった。
公民館のお座敷に、料理やお酒の準備が出来ると、村中の親戚同士が集まって席に着いた。
「翔子ちゃん、親戚同士の集まりって、村中の集まりだったんだね!?」
大賑わいで食事が始まる中、翔子は笑って答えた。
「だってぇ、神無月のお祝いだもの!!皆んなでお祝いしねぇと!!」
「えっ!!?」
騒がしい宴の中、私は得体の知れない大きな不安に駆られた・・・。
"神無月のお祝い!!?"
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